短鎖脂肪酸で、腸内環境を整える
短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)が、腸内環境を整え、元気の素となるという。
この短鎖脂肪酸というのは、短い脂肪酸(しぼうさん)のことだ。
脂肪酸は、簡単に言うと「油」のことで、鎖のような構造をしていて、長いのとか短いのがあるんだね。
たとえば一般の食用油は、殆どが長鎖脂肪酸だ。
一方、健康に良いとされるココナッツオイルは、中鎖脂肪酸で、吸収されるとすぐにエネルギーになるので、もてはやされている。
そして短鎖脂肪酸は、酢酸(さくさん)、プロピオン酸、酪酸(らくさん)といった種類がある。
これが腸内にたくさん発生すると、元気になるんだという。
短鎖脂肪酸の働きと、腸内細菌
短鎖脂肪酸は、元気の素なのだという。
というのも短鎖脂肪酸には、次のような働きがあるからだ。
短鎖脂肪酸の働き
- 短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜のエネルギー源。
- 短鎖脂肪酸は、カルシウムやマグネシウム、鉄の吸収を促進する。
- 短鎖脂肪酸は、腸内を酸性にして悪玉菌の増加を防ぐ。
短鎖脂肪酸受容体GPR41が、エネルギー消費の鍵
短鎖脂肪酸受容体GPR41とは、短鎖脂肪酸に反応するレセプタ(受容体)だ。
GPR41は、プロピオン酸や酪酸があると、交感神経を刺激して、エネルギー消費を増やしてくれる。
逆に脂肪の分解物であるケトン体があると、GPR41は交感神経を抑えて、エネルギー消費を減らす。
ケトン体は、エネルギー不足になったときにたくさん出来るので、エネルギーを節約するシグナルになるらしい。
糖質制限すると、一時的に元気がなくなるのは、GPR41が働いていたからだったんだね。
発酵食品と食物繊維で、短鎖脂肪酸を増やす
では、このGPR41を刺激して交感神経を活性化するには、どうすれば良いのか。
短鎖脂肪酸は交感神経を刺激するだけでなく、直接、我々のエネルギー源になるため、短鎖脂肪酸があると元気になるわけだし。
そのためには、腸内発酵で短鎖脂肪酸をたくさん作ればよい。
我々の腸内には、たくさんの腸内細菌、いわゆる「善玉菌」が居て、たくさんの短鎖脂肪酸を作ってくれる。
なので、乳酸菌などの善玉菌のエサや住まいとなる食物繊維、特に水溶性の食物繊維(グアーガム分解物など)を腸内に送り込む。
また短鎖脂肪酸そのものを送り込むのも、良いらしい。
短鎖脂肪酸そのものが、腸内環境を酸性に傾けてくれるし、ね。
酢酸というのは、お酢のことだから、お酢で健康になるというのも、あながちウソではないね。