亜硝酸塩は、危険なのか?
更新日:2018/07/06
亜硝酸塩(あしょうさんえん)は、危険な食品添加物としてよく取り上げられる。
亜硝酸塩は、ハムやソーセージ、ベーコン、筋子、イクラ、タラコなどに使われる添加物で、食材をキレイなピンク色に発色させるため、必ずと言って使われている。
肉は放っておくと、赤い「ミオグロビン」というタンパク質が酸化して茶色くなってしまうのだが、亜硝酸があるとミオグロビンと結合してピンク色になるのだ。
食品添加物には、色を付けるだけの着色料もあるが、亜硝酸塩は、ミオグロビンと結合することで色を出すので「発色剤」というくくりになっている。
ではこの亜硝酸塩、どれくらい危険なのか?
茶色くなるはずの肉をピンク色にしてしまうくらいなのだから、かなり危険な物じゃないのか?
そういう疑問も湧いてくるのだけれど、実は亜硝酸塩は単なる着色料や発色剤ではない。
と言うのも実は、亜硝酸塩は防腐剤をかねているのだ。
亜硝酸塩は、肉の脂肪が酸化するのを防ぎ、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌、そしてボツリヌス菌の増殖を抑える。
特にボツリヌス菌は、自然界最強の毒素を作るので、これを抑えるために亜硝酸塩を使うのだ。
もともと伝統的なハム、ソーセージは、肉に塩と硝石(硝酸カリウム)、あるいは硝酸を含んだ岩塩をすり込んで作られていたため、亜硝酸塩を使うのは、伝統的な作り方を近代的にしただけだ。
ただ問題は、この硝酸塩や亜硝酸がアミノ酸と結合してできる、ニトロソアミンだ。
ニトロソアミンは、発がん性が疑われている物質で、特に胃ガンと食道ガンと相関性が疑われているらしい。
そのため、ハムやソーセージなどの肉加工品に添加する亜硝酸塩の量は、原材料の重量比0.01%から0.02%と厳格に定められている。
肉1kgあたり、100mgから200mgってことだね。
一方、硝酸塩の一日許容摂取量(ADI)は、体重1kgあたり、3.7mgと推定されている。
一日許容摂取量(ADI)というのは、動物実験によって害がハッキリ出た量の100分の1の量で、毎日食べても安全だと考えられる量だ。
体重60kgだと1日当たり約220mgだから、肉加工品を毎日1kgずつ食べたとしても、亜硝酸塩による害はないと考えられる。
因みにWHOが近年(2015年10月)、ハムやベーコンなどの加工肉を、毎日50グラム以上食べると、大腸ガンにかかる確率が18%増えるという報告を出している。
ただこの原因物質は特定していないし、亜硝酸が疑わしいともしていない。
そもそも、加工していない「赤肉」(牛肉、豚肉、羊肉)を毎日100グラム以上食べても、大腸ガンになる確率が17%増えるとしているため、赤肉全体の問題らしい。
一方、胃ガンは日本や東アジアに多いのだけれど、その原因はもちろん肉加工品ではない。
東アジアで胃ガンが多い原因としては、塩漬け魚とか塩漬け野菜(漬け物)が疑われている。
またホウレンソウなどの葉野菜には、硝酸態窒素が大量に含まれていて、危険だとされている。
硝酸塩や硝酸態窒素は、胃や腸の中で亜硝酸に変わるため、こっちの方が怖い。
日本のホウレンソウ1kgあたりの硝酸塩量は3,000mgもあるので、ホウレンソウを1日100グラム食べたら、それだけでもう1日の許容量を超えてしまうわけだし。