セラミドを作る食べ物とは
更新日:2018/05/27
セラミド(ceramide)は、乾燥肌に関係があると言われている成分だ。
皮膚の表面にはケラチン(角質)という硬いタンパク質があるのだが、これを固定しているのがセラミド脂質で、それ故、角質細胞間脂質とも呼ばれている。
要するに、ケラチンというレンガをセラミドという接着剤で固めているのが表皮ってことだね。
そのため、セラミド脂質が減ると、ケラチンも剥がれ落ちていく。
さらにセラミド脂質の下にある水の層からも水分が蒸発してしまう。
これが肌から水分が失われる主因で、乾燥肌の原因らしい。
さらに肌表面の水分が失われると、皮膚のバリア機能が低下し、免疫力が落ちてしまう。
そのため、皮膚トラブルが頻発し、皮膚の状態が悪くなる。
皮膚に住む細菌のバランス(皮膚細菌叢、皮膚フローラ)も崩れ、悪玉菌が跋扈し始める。
こうなると乾燥肌だけじゃなく、様々な皮膚病にも発展しかねない。
では、セラミドを増やすにはどうすれば良いのか。
ハッキリ言うと、特別な方法はあまりない。
というのもセラミドは、人間の細胞に普通にたくさんある物質で、材料もタンパク質と脂肪だから。
セラミドというのは、「スフィンゴ脂質」という脂質で、大豆、卵、バター、クリーム、サツマイモ、鶏肉、チーズなどに多く含まれる。
ただしセラミドが多い食品を食べても、セラミド自体の吸収率はあまり良くないらしい。
それに大豆とか卵とか鶏肉とかチーズなどは、基本の食材だから、さらに増やすというわけにも行かないし。
因みに我々の肉体は、どうやってセラミドを作っているのかというと、セリンというアミノ酸と、パルミチン酸などの脂肪酸を原料として作る。
パルミチン酸はヘキサデカン酸という別名を持つ、炭素数16個の脂肪酸だ。
セラミドを多く含む食品にバターが挙がっているのは、元々パルミチン酸が多い食品だというせいもあるだろう。
ただ、セリンもパルミチン酸も、タンパク質や他の脂肪酸から体内で合成できる。
強いて言えば、大豆、卵、バター、チーズ、鶏肉などのセラミドが多い食品を中心に、タンパク質と脂肪を摂れば事足りる。
そもそも歳をとるとセラミド不足になり、乾燥肌になりやすいのは、新陳代謝が遅くなっているせいで、皮膚の細胞の再生速度が若いときの半分くらいになっているからだ。
となると、今肌にあるセラミドを減らさないようにするしかない。
AD発症(アトピー性皮膚炎)では、エアコンの使いすぎによる乾燥や、石鹸の使いすぎで、症状の発症率が変わってくることも分かっているので、洗顔や入浴回数を見直し、保湿によって肌のセラミドを失わない工夫の方が重要かも知れないね。