上皮成長因子(じょうひせいちょういんし)とは
更新日:2018/05/16
上皮成長因子(EGF:Epidermal Growth Factor)とは、細胞の増殖に関係するタンパク質だ。
上皮(じょうひ)というのは、皮膚の表面のことで、EGFは、細胞の表面に接触すると、細胞分裂を促す働きをするため、火傷の治療や外科手術後の皮膚の回復を早める働きを持つ。
このEGFは、唾液や母乳などにも含まれるもので、アメリカのスタンリー・コーエン博士が発見した。
その功績でコーエン博士は、1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
上皮増殖因子、上皮細胞成長因子、上皮細胞増殖因子などとも呼ばれる。
皮膚の上皮細胞の表面には、EGF専用のレセプタ(受容体:受け取り口)がある。
EGFが上皮成長因子受容体(EGFR)接触して、EGFRと結合すると細胞分裂の準備が始まる、と言う風なイメージだ。
EGFは唾液にも含まれているから、ケガしてちょっと血が出たくらいなら、ツバ付けときゃ治るというのも、あながちウソではない。
EGF(上皮成長因子)は、2005年に化粧品などに配合することが認められている。
EGFは成分名としては、「ヒトオリゴペプチド-1」と成分表記される。
ヒトオリゴペプチド-1含有化粧水や、ヒトオリゴペプチド-1含有フェイスマスク、フェイスパック等という風に売られている。
また、手作り化粧品の材料として、ヒトオリゴペプチド-1単体で販売されてもいる。
ヒトというのは「人間の」と言う意味で、オリゴとは「少数」の意味。
ペプチドは、アミノ酸が複数つながった形の有機物で、タンパク質の破片みたいなモノだ。
そしてオリゴペプチドは、アミノ酸が2個から20個ほどつながった物質の総称で、600種類以上あることが分かっている。
毒キノコに含まれる毒は、たいていオリゴペプチドで、作用が早く、ある意味、危険な物質でもあるが、薬として使うための研究も様々に進んでいる。。
一方、ヒト由来のヒトオリゴペプチドもたくさんあり、それぞれに様々な働きを持っているという。