
皮膚というのは、一体どういうモノなのだろう。
ケガしたり傷を負ったりしたとき、キレイに治るときと、跡が残ったりする場合があるのはなぜ?
ひっかき傷はキレイに治るのに、カサブタの跡がクレーターのように残るのはなぜ?
皮膚病をすると、こういうことをいろいろ考えたりする。
そこで皮膚について、色々調べて自分なりにまとめることにした。
まず、皮膚というのは大きく分けて、三つの層でできている。
その三つの層とは、表皮・真皮・皮下組織(皮下脂肪)だ。
表皮とは
表皮は皮膚の一番外側にある部分で、外気に触れている部分だ。
厚みは約0.2ミリメートル以下で、薄いところは0.06ミリしかない。
表皮の細胞はケラチノサイト(角化細胞)と呼ばれる細胞で、主にケラチンというタンパク質を作っている。
ケラチンは硬い物質で、皮膚を守る働きを持っている。
ケラチンの和名は「角質(かくしつ)」で、「角の成分」という意味だ。
ただ、脊椎動物のほとんどが皮膚にケラチンを持っており、鳥のくちばしもケラチンでできているため、角の成分という意味は、ちょっと語弊があるかも知れない。
またメラニン色素も表皮にあり、紫外線から肌を守る最前線を担っている。
表皮の細胞は、表皮と真皮の間にある基底層で増殖し、それが4週間かけて表に出てくる。
表皮と真皮の境界面にある基底層で生まれたケラチノサイト(角化細胞)は、徐々に表面に押し出されていく。
そして3~4週間もすると、ケラチノサイトは活動を停止し、アポトーシスといって、細胞自体が自死する(細胞死)。
ケラチノサイトから細胞核が抜けて、そのあとは硬い「角層細胞」に変化するのだ。
この角層細胞には、硬いケラチン(タンパク質)が残っていて、それを「角層の細胞間脂質(セラミドやコレステロールや遊離脂肪酸)」が取り込んで、レンガのような頑丈な構造になるのだ。
ただ、皮膚の表面に出てくるにしたがって、外気に曝されるし、紫外線にも当たるため、少しずつ劣化して行く。
そして4週間も経てば、表面から角層細胞は少しずつ垢(アカ)となって剥がれて行くわけだ。
こういう一連の繰り返しを「角化」とか「ターンオーバー」と呼ぶ。
なので通常は、シミなどができても、4週間くらいするとターンオーバーで消えていく。
そのため、消えないシミは、このターンオーバーに異常があるのだと考えられる。
皮膚の構造・組織図

※Wikimedia Commonsより