ニンジンを食べなければいけない理由とは
更新日:2018/03/06
皮膚の健康に大きく関わっている栄養素は、タンパク質と、ビタミンA(レチノール:C20H30O)だろう。
タンパク質は、皮膚やコラーゲン、そして免疫グロブリンといった免疫システムの重要な材料だから、不足していれば皮膚の回復は当然遅れる。
一日あたり、最低でも60グラム以上のタンパク質が取れていなければ、治るモノも治らない。
一方、ビタミンAは、皮膚や粘膜などの上皮組織で重要な働きをしており、細胞分裂や、ガン予防などにも関係しているという。
ビタミンAが欠乏すると一番影響が出るのは目で、夜盲症になり、さらに深刻になると失明にもつながる。
現代でも途上国では、毎年毎年、数十万人もの子供達がビタミンA不足で失明しているらしい。
というのもビタミンAは、動物性食品にしか含まれていない。
そして動物性食品と言っても、ビタミンAを多く含むのは豚レバーや鶏レバーくらいしかなく、日常的に食べるものでは、鶏卵とかチーズくらいしかない。
ビタミンA不足を補うために、タラの肝油や肝油ドロップも使われるが、魚も肝に集まるので、日常的に摂るのは意識しないと難しい。
ただ、ビタミンAに関して言えば、ベータカロテンなど「プロビタミンA」と呼ばれる栄養素があり、緑黄色野菜から摂ることができる。
緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、皮膚などの細胞にたくさん蓄えられて、必要に応じてビタミンAに変換されるため、カロテンを摂る方が確実で良いってことらしい。
そしてこのカロテンを摂るのに最も手っ取り早いのが、ニンジンを食べることだ。
ニンジンにはベータカロテンの他にも、アルファカロテンを多く含んでいて、こちらもビタミンAに変換されて使われる。
因みにカロテンは、様々な健康効果が期待されており、身体に良いと喧伝されている栄養素だ。
肺ガンに良いなどということが言われたりもするが、2018年現在では、ハッキリしたエビデンス(確固たる証拠)はないらしい。
ビタミンAやカロテンを多く含む食品のリストは次のようになっている。
ビタミンAの一日の所要量は、成人男子で2,000IU、レチノール当量(RE)だと、660μgRE。
成人女子では1,800IUなので、レチノール当量なら、594μgREになる。
(※1 IU = 0.33 μgRE)
ビタミンA(または、カロテン)を多く含む食品一覧
食品100g | レチノール(V.A)ug | カロテンなど | レチノール当量μgRE |
---|---|---|---|
鶏レバー(生) | 14,000 | - | 14,000 |
豚レバー(生) | 13,000 | - | 13,000 |
牛レバー(生) | 1,100 | - | 1,100 |
ヤツメウナギ(生) | 8,200 | - | 8,200 |
ウナギの蒲焼き | 1,500 | - | 1,500 |
ギンダラ(生) | 1,100 | - | 1,100 |
あなご(生) | 500 | - | 500 |
鶏卵(ゆでたまご) | 130 | - | 130 |
チーズ | 240 | - | 240 |
ニンジン(ゆで) | 0 | α:2,400、β:7,500 | 720 |
ニンジンジュース | 0 | α:1,300、β:3,800 | 370 |
ほうれん草(ゆで) | 0 | α:0、β:5,400 | 450 |
春菊(ゆで) | 0 | α:0、β:5,300 | 440 |
カボチャ(ゆで) | 0 | α:18、β:3,900 | 330 |
ブロッコリー(ゆで) | 0 | α:0、β:770 | 64 |
トマト(生) | 0 | α:0、β:54 | 45 |
この表を見ると、意外にブロッコリーやトマトのカロテンの量が少なくて、ニンジンかほうれん草などを食べないと、所要量に全然届かないね。
タマゴ2個と、ニンジン100グラムくらいは、毎日食べないといけないらしい。