皮下組織とは
更新日:2018/05/27
皮膚の一番内側にあるのは、皮下脂肪がたくさん集まった皮下組織だ。
厚みは頭部や顔がおよそ2.0ミリくらいで、その他の皮膚は10ミリくらいだ。。
皮下組織には、動脈や静脈が走っていて、血液が流れている。
毛細血管が皮膚の上層の真皮まで伸びていて、皮膚に栄養を与えて、老廃物を回収する。
また免疫細胞も皮下組織に待機していて、皮膚から雑菌やウイルスなどが侵入した場合に備えている。
皮下組織の大部分を占める皮下脂肪は、脂肪細胞と呼ばれる細胞が集まって「脂肪小葉(しぼう・しょうよう)」という集合体になっている。
真皮からは強い紐のような組織が伸びていて、筋膜や骨膜につながっている。
コレによって皮膚が筋肉や骨から大きくズレないようになっている。
所々に「結合組織性隔壁」というのがあって、脂肪細胞や血管やリンパ管が大きく動かないようになっている。
皮下脂肪は、外からの圧力に対して緩衝材(クッション)となって、血管や神経、筋肉などを守っている。
また脂肪は比熱が高いので、体熱を奪われず、体温を一定に保つのに役立っている。
皮下脂肪のほとんどは、「白色脂肪細胞」と呼ばれるタイプの脂肪だ。
白色脂肪は、脂肪をため込むタイプの脂肪で、単胞性だ。
簡単に言うと、1個の細胞にたくさん脂肪をため込むタイプで、脂肪の格納庫になる。
人間の大人の脂肪細胞は、99%この白色脂肪細胞だ。
一方、冬眠動物や赤ん坊には、茶色い「褐色脂肪組織」がある。
褐色脂肪組織は、褐色脂肪細胞が集まったもので、鉄分をたくさん持っているため、茶色く見える。
この褐色脂肪組織の役割は、「脂肪を燃焼させて熱を作る」ことで、そのためにミトコンドリアをたくさん持っている。
冬眠動物や赤ん坊は、身体を動かさずに熱を作る必要があるため、こういう褐色脂肪組織を持っているのだと考えられている。
人間の場合、成長するにつれて褐色脂肪組織は減っていき、全体の1%位になる。
褐色脂肪組織が残っているのは、首の周囲や脇の下、肩甲骨の間や、心臓や腎臓の周辺で、血管がたくさん集まっている部分だな。