ラメラ構造とは
更新日:2018/05/26
人の表皮はラメラ構造(Lamellar structure)という構造を持っている。
ラメラというのは、小さなプレートやフレーク(薄片)のことで、小さなプレートや薄っぺらいモノが集まってできているのが、ラメラ構造と言うことらしい。
小さなプレートやフレークと言われてもピンとこないが、凄く薄っぺらい麻雀パイとか、コーンフレークみたいなモノという感じかな。
こういう小さなモノが折り重なってできているのが、ラメラ構造って事らしい。
紅葉の時期に山に入ると、キレイな落ち葉がたくさん地面の上にあって、幾重もの層を作っているけれど、ああいう感じかな。
一方、化学分野では、2種類の異なる素材が、非常に薄く張り合わさっている構造を、特にラメラ構造と呼んでいる。
液晶テレビなどに使われる液晶も、小さな長方形の液晶がずらっと並んでいて、それをガラスやPETなどの素材で挟み込んでいるので、ラメラ構造の一種らしい。
ラメラ構造自体は、よくある構造であって、特にそれがどうした?という程度のモノだ。
ところが人間の皮膚のラメラ構造は、ちょっと意味合いが違う。
というのも人間の皮膚のラメラ構造は、表面に近付くほど壊れていくからだ。
人間の皮膚のラメラ構造は、工業製品とは異なり、非常に壊れやすい構造だ。
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織という3つの層から成っているが、外側から0.2ミリあたりにある基底層で、ラメラが作られる。
皮膚のラメラというのは、簡単に言うと「ケラチナサイト」(角質細胞)という細胞だ。
ケラチナサイトは、ケラチンという硬いタンパク質を作り出している細胞で、動物の角や鳥のくちばしなどもケラチンでできている。
ケラチンは「角質」とも呼ばれるが、これは「角の成分」という意味で、ケラチンの和名だ。
ただケラチンは角の他にも、多くの脊椎動物の皮膚にも普遍的にあって、魚の鱗(ウロコ)の成分でもある。
そのため、角の成分という狭い意味では、なんかよく分からん話になっている。
で、ケラチナサイトは面白いことに、ケラチンを十分に作り出したら、そこでもう役目を終えて死んでいく。
ケラチンを作ったら、それでお役御免なので、細胞核がアポトーシスという細胞死を起こす。
ケラチナサイトが死んだ後、細胞膜にあったセラミド脂質が、ケラチンをしっかり固定する。
そしてセラミド脂質の層と層の間には、水分の層ができて、これが20~30層くらいのラメラ構造を作る。
このラメラ構造がキレイにできていると、皮膚から水分が逃げずに、皮膚がみずみずしく保たれる。
逆に言うとラメラ構造が乱れてしまうと、皮膚から水分がドンドン蒸発して、乾燥肌になるって事だね。