皮膚には、タンパク質と脂肪、そしてビタミンAが必要。
更新日:2018/03/06
傷ついた皮膚を回復させるには、タンパク質や脂肪などの材料と、ビタミンAなどが必要だ。
皮膚の組成は水分が約57.7%、タンパク質が約27.3%、脂質が約14.2%、となっていて、水分を除けば、タンパク質が2,脂肪が1という割合でできている。
そのため、タンパク質や脂肪がないと、皮膚の回復が進まない。
また、皮膚の表面は、盛んに細胞分裂を起こしているため、ビタミンB群や葉酸、ビタミンCといった細胞分裂に必要なビタミンも必要になる。
そして皮膚や粘膜を強化するのに重要なのがビタミンAだ。
ビタミンAは皮膚や粘膜に必要な物質で、しかも意識して摂るようにしないと不足する。
というのもビタミンAを含む食品は、鶏レバーや豚レバー、ウナギ、鶏卵、チーズくらいにしか含まれていないからだ。
では、何にどのくらいのビタミンAが含まれているのかというと、次のようになっている。
因みに、ビタミンAの一日の所要量は、成人男子で、660μgRE(レチノール当量)、成人女子では、594μgREになる。
大雑把に言うと、レチノール700μgRE弱/日って事だね。
ビタミンAを多く含む食品(可食部100グラム当たり)
食品100g | レチノール(V.A)ug | カロテンなど | レチノール当量μgRE |
---|---|---|---|
鶏レバー(生) | 14,000 | - | 14,000 |
豚レバー(生) | 13,000 | - | 13,000 |
牛レバー(生) | 1,100 | - | 1,100 |
ヤツメウナギ(生) | 8,200 | - | 8,200 |
ウナギの蒲焼き | 1,500 | - | 1,500 |
ギンダラ(生) | 1,100 | - | 1,100 |
あなご(生) | 500 | - | 500 |
鶏卵(ゆでたまご) | 130 | - | 130 |
チーズ | 240 | - | 240 |
一日に必要なビタミンAを全てタマゴで摂るとすると、1日タマゴを8個くらい食べないといけない計算だ。
チーズだと、一日300グラムも食べないと足りない。
ビタミンAが多い食品は少ないから、コレはかなり大変だね。
一方、肝油やサプリメントでビタミンAを摂るとすると、逆に摂りすぎになって過剰症になる怖れもある。
これでは安定的にビタミンAを摂ると言うことは難しい。
なので必要に応じてビタミンAに変換されるカロテンを、しっかり食べ物から摂ることが必要だ。
そしてそのために一番効率的なのが、ニンジンだ。
ニンジンには、アルファカロテンとベータカロテンという2種類のプロビタミンAが含まれている。
しかもニンジン100グラムほどで、レチノール当量700μgも摂れてしまう。
つまり、ニンジン100グラムだけで、一日に必要なビタミンAが摂れてしまうわけだね。
逆に言うと、ニンジンを毎日食べないヒトは、ほぼ確実にカロテン不足に陥っているということだ。
というのも他の食品では、もっとたくさん分量が必要な栄養素だから。
カロテンを多く含む食品(可食部100グラム当たり)
食品100g | レチノール(V.A)ug | カロテンなど | レチノール当量μgRE |
---|---|---|---|
ニンジン(ゆで) | 0 | α:2,400、β:7,500 | 720 |
ニンジンジュース | 0 | α:1,300、β:3,800 | 370 |
ほうれん草(ゆで) | 0 | α:0、β:5,400 | 450 |
春菊(ゆで) | 0 | α:0、β:5,300 | 440 |
カボチャ(ゆで) | 0 | α:18、β:3,900 | 330 |
ブロッコリー(ゆで) | 0 | α:0、β:770 | 64 |
トマト(生) | 0 | α:0、β:54 | 45 |