新型コロナでなくても、熱が出たら10日休み?
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発熱すると、10日間は仕事を休まねばならない。
そんな時代がやってきた。
昭和生まれのオジサンからしてみると、熱なんか、下がったら、さっさと仕事に行けというのが常識で、高熱でも仕事に出てくるのが美徳とされていた。
だから、2000年以前であれば、そんなアホなという話だ。
ところが2019年末から世界中を席巻した新型コロナウイルスで、世界はすっかり様変わりした。
そして今や「熱が出たら、10日は休む」ということになってきた。
近年は、インフルエンザにかかったら、さっさと帰れという職場も増えてきていたが、新型コロナウイルス騒動が、されにそれを加速させている。
でもなぜ10日も、休まないといけないのか。
色々調べて見た。
職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド
日本渡航医学会と日本産業衛生学会は、2020年2月から、職場でのコロナウイルス対策をまとめはじめた。
「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」というもので、2020年2月17日に原案がまとめられ、3月2日、3月31日、4月20日と修正された。
★こちら→新型コロナウイルス感染症情報
このガイドは、新型コロナウイルスの新情報と対策に進展に伴い、定期的に更新されているため、非常に参考になる。
正式な第1版が5月11日、第二版が6月4日、第三版が8月11日、第四版が12月15日に発表された。
このガイドは、日本の厚生労働省や世界保健機構(WHO)、国際労働機関(ILO)や、医学情報を、職場の保健衛生担当者に分かりやすく伝えるためのもので、一般人の我々が読んでも分かりやすい。
このガイドの中には、仕事場でどのような対策をすれば良いかが詳しく載っていて、日本全国の事業所で行われている対策は、ほぼこの通りになっている。
発熱者を、いつ職場復帰させればよいか
このガイドの中に、「発熱者」を「いつ」どういう形で「職場復帰」させるか、という部分がある。
発熱者というのは「新型コロナウイルスに感染している可能性がある者」ということで、いまや熱が出たら普通の病院や医者にはかかれない。
発熱外来という、医院や病院の建物の外や駐車場の、隔離された診療室へまず行かねばならない。
発熱外来が設置されているクリニックや病院は少ない上に、当日電話予約してから行かねばならないという、面倒なことになって居る。
熱が出たくらいで、もう腫れ物扱いだ。
発熱や風邪症状などの体調不良者への対応
症状をほとんど呈さない(微熱もしくは発熱しない)新型コロナウイルス陽性例が多く報告されている。
発熱や風邪症状の体調不良を認める場合は、従業員に対しては「かかりつけ医・最寄りの医療機関」もしくは「自治体が設置する新型コロナウイルス受診相談窓口等」に相談し、新型コロナウイルスの検査を受けることを勧める。
発熱や風邪症状が改善したとしても、医療機関を受診しない、受診はしたものの新型コロナウイルスの検査を受検しなかった際には、新型コロナウイルス感染症を完全に否定することはできないため、その場合は、表 4 の基準に基づいた職場復帰を推奨する。
症状出現後に受けた新型コロナウイルス検査が陰性で、かつ他の症状より新型コロナウイルス感染症が強く否定された場合には、発熱や風邪症状の消失から少なくとも 72 時間が経過している状態を確認して復帰させる。
(ガイド17ページ~)
新型コロナウイルスの検査を受けていない者の職場復帰の目安
感染した従業員の職場復帰の目安
一方、コロナウイルスに感染した従業員の職場復帰に関しては、次のように載っている。
感染者は発症 2 日前から発症直後が最も感染性が高く発症後 1 週間程度で感染性がほぼ消失すると考えらえている。
感染症法第 18 条に基づく就業制限の解除については、退院前に PCR 検査を必須とせずに、「発症日から 10 日間を経過し、かつ症状軽快後 72 時間経過した場合」は、就業制限を解除してよいとされている。
感染した従業員の職場復帰の目安を表 5 にまとめた。
コレを見ると、発熱した人を10日くらい職場復帰させない理由が、よく分かる。
要するに、「コロナ罹患者がウイルスをばらまくのは、発症する2日前から1週間後まで」ということが分かったので、熱が出たら8日後までは職場に入れてはいけない、ということやね。
もちろん新型コロナでないことが判明したら、解熱3日後くらいから職場復帰させても良いと書いてある。
が、発熱後すぐにPCR検査して陰性でも、数日後に陽性になるケースもあるようなので、結局10日くらい休めということなるんやね。
というわけで、2021年初頭現在では、「発熱したら、10日は休む」と思っておいた方が良さそうだね。